「死」と向き合う
9月のほんとも研修は「介護職に必要な三つの要件・資質はなにか」というテーマで話しをしています。
参加者それぞれが考えた「三つの要件・資質」「なぜそれが必要だと思うのか」を主張するなかでのやりとりを紹介します。
「死」を身近に感じたのはいつか?
始めて「死」に対面してどう思ったのか?
(参加者同士の会話の中で質問が出ました)
介護職員になりたての頃は「死」=「怖い物」と思っていた。感じていた。
目の前で入居者様が亡くなるのが怖いから逃げていた。
一人で対応する時間、「出来れば自分の担当時間外に・・・」と思っていた。
でもある時を機会に亡くなった方に対して「お疲れ様」「ありがとう」と
思えるようになった。
「ある時」を境に・・・きっかけは何度か「すっ」と逝かれる入居者様の姿を見て
「あ、今か」「ありがとう」
「私はちゃんと対応することが出来ましたか」
「上手に接することが出来たのかな」
と思ったことがありその時から変わったかな。
と上記のようなやりとりが行われました。20代・30代前半の職員同士の会話です。
普段「死」に対してどれだけ考える方がいるでしょうか。
どれだけ周りの方と話し合う方がいるでしょうか。
高齢者介護の仕事は「死」と向き合い取り組む仕事です。
怖くても逃げられません。
目の前で死に向かって進んでいる方から目を背けることは出来ない仕事です。
時には息を引き取る瞬間を看取る事もあります。
私も最初は怖かったです。目の前で人が亡くなることが。
自分1人しかおらず、どう対応したら良いのかわからず。
でもある時気がつきました「私は1人じゃない」ということに。
どんな場面でも必ずもう1人、目の前には「入居者様がいる」ということに。
そのことに気がついてからは「怖さ」の意味が変わりました。
「死ぬこと」に対する怖さではなく「ちゃんと看取る事ができるか」という怖さに。
私の中での決まり事は「自分がいる時には絶対に最後の瞬間を1人にしない」
ということです。
息を引き取る前も、息を引き取った後も。
必ずご家族が到着されるまでそばで寄り添います。
ご家族が到着されてからそっと居室を後にするようにしています。
「そばに寄りそう」それが私に出来る最後の支援だと思っています。
「死ぬということ」は決して怖いだけの物ではありません。
「死」から学び、成長する事が出来るのが介護職員の特権だと思います。